4-2 持っている特質を生かす成長
情報化社会といわれていますが、溢れているのはまだ持っていないもの、新しいもの、珍しいもの、貨幣価値のあるものなどの情報で、既に持っているもの、古いもの、無償のもの、地域的なものの価値を伝える情報はほとんどありません。
経済的な格差が増大し、情報と流通の時間・距離が短縮される中で、持っていないものを求めて奪い合う成長に限度があるのは必然です。
目然や自然エネルギーの中に、欠点や不都合を見出してその改善を図ることも経済の活性化には必要ですが、そこに素晴らしさと独自性を発見し、より顕著にする創造的な取り組みがなければ共存性と持続性のある成長は望めません。
省エネルギーや温暖化防止への取り組みはもちろん大切な課題ですが、それが我慢や抑制である限り、持続性にも共存性にも欠けることは、国際会議での駆け引きを見るまでもなく明らかです.
地域ごとに異なる無償の富である自然エネルギーに、どんな良さを発見しどう生かすかは、まさに生き残りを懸けた成長への課題ともいうべきです。
都市に人口が集中する過密化と過疎化も世界の潮流ですが、自然と自然エネルギーの素晴らしさを知り、都市では到底及ばない生活環境を作り出すことも、奪い合うことのない第1次産業活性化の課題です。