
3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶
形が不揃いだという理由で市場に受け入れてもらえず、取れ過ぎると値崩れを起こし、廃棄処分される生産物が大量に残るのが1次産業の泣き所です。
しかしこうした規格外品や、廃棄物さえもが素晴らしい自然エネルギーの結晶であることは疑いなく、それをどう活用し利用するかが、貯蔵と加工の課題です。
1次産業の貯蔵と加工は、何段階かの流通を飛び越えて自分で値付けをする機会を増やし、廃棄される宿命にある生産物を独自ブランドの商品に格上げする、立派な自然エネルギー利用です。
工業発想の影響を受けて大規模化、専業化、効率化を求めてきた1次産業にとって、貯蔵はともかく加工にまで手を広げることは大変なことですが、加工や自給は本来、零細企業の典型ともいえる1次産業が、少しでも支出を減らそうとする経済の中で取り組んできた課題です。
新しい市場の開拓を必要とする大量生産を目的とするのではなく、それぞれの特徴を生かし、自給自足と地産地消の発想で取り組むのが肝要です。
1次産業の強みは、優れた加工品を作るための原料の選択だけではなく、士壌改良、肥料、育種、育成、収穫、乾燥、貯蔵のすべてに思いを馳せて吟味し、試みることができる点で、そこに独自のブランドを育てる素地があります。