後で仕上げをと思っているうちに4年を経過した断熱貯蔵庫
3-9 断熱材で建物を作る
寒地では食品の貯蔵だけではなく、作業場にも加工場にも、時には家畜や廃棄物の処分場にも、それぞれの必要に応じた温度湿度を保つ建物が必要になります。
断熱というと余計な物、面倒なもの、費用のかかるものと思われる向きもありますが、時には建物以上に大切なこともあります。
雪は建物なしに大地を守り、動植物を守り、貯蔵を助ける断熱材ですし、雪や氷を積み上げて作る北極圏のイグルーも、命を守る建物そのものです。
建物に断熱をするのではなく、断熱材で建物ができると、きっと性能上の心配もなくなります。
温室に使用されるビニールハウスは、安く簡単に組み立て・解体が可能な優れた上屋ですが、台風や積雪にあうと見るも無惨につぶれてしまうのが難点です。
板状の断熱材も、曲げると簡単に撓んだり折れたりと決して強い材料ではありませんが、その両面に合板や板を貼り付けたり、細いパイプや平鉄を貼り付けることで大変丈夫な構造体に変身します。
写真は、120mmの発泡ポリスチレンの内側に 25mmのビニールハウス用のパイプ、外側に 30×3mmの帯鉄を 60cm間隔で取り付けた野菜貯蔵庫ですが、台風にも、積雪にも、もちろん地震にも、めっぽう強い構造体です。