3-14 地産地消の共同体(コミュニティ)
いま、住まいと食の安心安全が問われています。
流通の時間・距離の短縮で世界中の生産物が身の回りに溢れていますが、生産効率を高めるための農薬、除草剤、化学肥料、遺伝子組み替え、鮮度保持のための防腐処理、食品添加物、発色剤などの人体と環境への影響と共に、遠く離れた場所での生産と消費から生まれる生態系の破壊と格差の増大が問題になっています。
地産地消は、単なる省エネルギーやエコロジーへの取り組みではなく、生産者と消費者が共に顔の見える立場で、それぞれの生き方や役割を学び、発見することによって可能になるものです。
1次産業の生産現場や自然環境に触れ、生活体験をするグリーンツーリズムや産地の道の駅で特産物を発見するのも大切な交流の一つですが、生産者と消費者がそれぞれに役割を持って人と人とのつながりの輪(共同体)に参加して学びあい、問題を共有することが地産地消の大切な課題です。
自然に恵まれた生産地で共に汗を流すことは、特に若い世代に望まれますし、立場を変えてものを見ることは“新しい自分を発見する成長”につながります。
年間を通して生産と消費の契約をする共同体には、安心安全な生産物をつくる問題点を知り、その結果を共有する喜びもあります。