2015年8月20日

2-7 夜の光の演出

ウインドウショッピングを彩る夜の光
ウインドウショッピングを彩る夜の光

2-7 夜の光の演出

月は夜を代表する光です。日中はその存在さえ忘れられる光ですが、暗くなるとその穏やかさが輝きを増し、昼とは違った世界を演出してくれます。

眼はカメラ以上に素晴らしい器官で、1万ルックスを超える直射光下の照度から満月時の1ルックスを下回る照度までに順応する能力を持っていますが、特に暗い場所では瞳孔の絞り機能のほかに網膜の感度を変える生理的な順応が働くので、できるだけ光源のまぶしさを避け、目の感度を落とさずにものが見えるようにすることが省エネルギーにも通じる照明の要点です。

建物全体で極端に異なる照度や光の色のアンバランスを避けると共に、全体の光を暗さにあう暖色系とし、輝度の高い光が直接目に入る灯具の使用を避け、見せたい物や対象物を浮き立たせるようにすることが、眼に穏やかで、しかも省エネルギーにつながる夜の照、明です。

しかし、屋外から見た夜の光はまことに乱雑です。住宅地にも広がる情緒に欠ける水銀灯の街路照明、昼の光を求めた昼夜営業店の高光度照明、住戸毎に異なる集合住宅の窓から漏れる光の色、庭や植え込みに馴染まない街灯の光など、暗さの中
で美しさを演出する夜の光が見失われています。

月や星や蛍の光を楽しむ生活は、もう都会では無理なのでしょうか。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ 各種ダウンロード リンク
一般社団法人 北海道建築技術協会
〒060-0042
札幌市中央区大通西5丁目11
大五ビル2階
アクセス
TEL (011)251-2794
FAX (011)251-2800
▲ ページのトップへ