1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー
太陽から地球に降り注ぐエネルギーはほぼ一定ですが、地球の公転と自転から生まれる年変動、日変動などの変化もまたエネルギーであって、変動性は自然エネルギーの特徴です。化石エネルギーや電力などの人工エネルギーには一定の出力が求められ、有料であるのと対照的です。
気温の年変動や日変動だけではなく、気圧や湿度、風や波、雲や天空光、生物の生長から実り、分解や再生もまた環境に活力を与える自然エネルギーです。
たとえエネルギー量は小さくとも、季節の移り変わりを告げる虫や鳥の声、草木や花の香り、四季を彩る風景から景観までもが、変化を生み出す自然エネルギーの働きであり、個性豊かな自然エネルギーそのものでもあります。
しかし変化は時に大きすぎて、大きな災害をもたらすこともあります。
寒波や熱波で大勢の人が亡くなり、台風や洪水、高潮や高波が大きな災害をもたらし、地震や津波が地形をも変える変動を与えるのも自然エネルギーです。
干ばつや沙漠化には人為的な取り組みの失敗が指摘されていますが、多くの変化はある程度の予測が可能であり、対応への準備が求められています。
その備えと心構えを含めても、変化は自然エネルギーの欠点ではなく地域と生活の多様性を生み出す素晴らしさであることを忘れたくないものです。