2015年8月20日

3-12 森を生かすナショナルプロジェクト

割る楽しみ、乾かす楽しみ、燃やす楽しみ
割る楽しみ、乾かす楽しみ、燃やす楽しみ

3-12 森を生かすナショナルプロジェクト

森は自然エネルギーの聖地です。樹齢1000年を超える大樹と共に若木や雑草や潅木が生育し、酸素が供給され、雨水を吸収して地下水の源流となっています。

日本は世界有数の森林国で、山に森があり緑に溢れているのが当然とされる、恵まれた国でありながら、海外から大量の木材を購入する一方で自国の森の管理が出来ずに荒廃させ、間伐や風倒木の処理さえ出来ずに放置されています。

森を大切にしたいという思いは、不思議なことに若者よりも高齢者に強く、寿命が延びた現在、体力と時間のある高齢者が増えています。

もちろん若い力が随所で必要になりますが、高齢者が森に接し、清浄な空気のもとで健康な汗を流す機会を積極的に増やす取り組みには、自然に親しむ文化の回復と共に、保健医療費の節減効果も期待できます。

日本には、間伐材や下枝を払った小枝を炊事や風呂の燃料としてきた長い伝統があり、薪切りや薪割りを日課とする生活がありながら、あまりにも簡単に全面輸入の石油に頼り、オール電化を理想とする意識に変えられてしまったのが不思議です。

機械力で大木を伐採しても、大量の廃材が山に残り、腐敗すると温暖化効果の際立って高いメタンガスを発生します。森を生かし育てる取り組みは、やがて海を育て水産業を育てる取り組みにもつながります。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ 各種ダウンロード リンク
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