2015年7月19日

1-1 地球という外断熱された星

生物を育む宇宙でたった一つの星
生物を育む宇宙でたった一つの星

1-1 地球という外断熱された星

地球が外断熱された星であるということを考えたことがあるでしょうか?

地球は 5,700℃にも及ぶ太陽からの強い放射熱を受けながら、同時にマイナス
273℃という絶対零度の宇宙空間に放熱を続ける天体で、昼と夜との温度差は大き
く、これだけではとてもそこに生物を宿すような穏やかな星にはなりません。

地球には、それを取り巻く空気や、そこに含まれる水蒸気、雲、炭酸ガス、オゾ
ンなど、太陽と宇宙、そして地表面からの高温、低温の放射熱を吸収しながら、そ
の温度に応じて再放射をする天然の断熱層があって、大きな変動を緩和する働きを
しています。

さらに地表には、森や潅木や草原、落ち葉や枯れ草、土壌や雪、そして氷までも
が断熱材となって生物を守り、おまけに動物達は、羽毛や皮下脂肪という断熱材を
身にまとって環境に順化し、人間もまた建物という断熱材の中で衣服をまとうだけ
ではなく、暖房や冷房にも頼って生きています。

今地球の温暖化が人類の存亡にかかわる問題になっていますが、仮に、この地球
を取り巻く大気の断熱がもう少し厚いか薄いか、あるいは、地球と太陽との距離が
ほんの少し近いか遠いかによって、今私達が住んでいる地球とは全く異なる死の世
界になることを考えると、その絶妙なバランスに驚嘆を覚えます。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ リンク
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