2017年1月3日

No.169 北海道三大秘湖の一つ「オンネトー湖」は五色湖

ちょっと真面目チョット皮肉169

石山祐二*

マリモで有名な阿寒湖(あかんこ)の近くに周囲約 4km の小さなオンネトー湖がある。阿寒国立公園の一部である「オンネトー湖」と支笏湖(しこつこ)近くの「オコタンペ湖」と然別湖(しかりべつこ)近くの「東雲湖(しののめこ)」は北海道三大秘湖といわれている(図 1)。オンネトー湖は(見る場所によって変化するが)濃い藍色で、季節・天候・時間帯によっても種々変化するので五色湖とも呼ばれている。

図 1  北海道の三大秘湖 (★1 オンネトー湖、★2 オコタンペ湖、★3 東雲湖)
図 1  北海道の三大秘湖
(★1 オンネトー湖、★2 オコタンペ湖、★3 東雲湖)

この湖は雌阿寒岳(めあかんだけ)の噴火によってできた堰止湖(せきとめこ)で、ここから流れ出るのが螺湾川(らわんがわ)である。湖の水面高度は 620m、最大水深は 9.8m、酸性が強く魚類は生息していない。秘湖といわれるだけあって、湖畔に土産店もなく(トップシーズンを除いて)観光客もあまり多くはないが、茶屋、キャンプ場、駐車場、散策路、登山路、湯の滝もあり、誰が訪れても楽しむことができる場所である。

オンネトーとはアイヌ語で「年老いた沼」を意味する。北海道の地名はアイヌ語に漢字を当てはめたものが多いが、カタカナ表示も趣がある。なお、似たような名前の温根湯(おんねゆ)温泉(「おんね」とはアイヌ語で「大きな湯の湧くところ」)があるが、これはオンネトー湖とはまったく別の場所で北見市にある。

足寄町(あしょろちょう)にあるオンネトー湖畔の後方およそ 2km に雌阿寒岳(1499m)と阿寒富士(1476m)がある(写真 1)。なお、雄阿寒岳(おあかんだけ)(1371m)は阿寒湖畔の東側にあり約 20km 離れている。

写真 1  オンネトー湖畔からの雌阿寒岳と阿寒富士
写真 1  オンネトー湖畔からの雌阿寒岳と阿寒富士

オンネトー湖畔から雌阿寒岳と阿寒富士はほぼ同じ高さにみえるが、雌阿寒岳の方が 23m 高い。しかし、稜線の形状から推察すると雌阿寒岳の方が手前にあるように見えるのに、阿寒富士の方が少し高いように感じるのである(写真 1)。

台形状に見える山よりも三角形状に見える山の方が(同じ高さでも)高いと感じるのか、山頂と湖畔の距離は阿寒富士の方が少し近いのかなどと思いを巡らしている。正確な位置関係は道路地図では分かりそうもないので、もう少し大きな(縮尺の小さな)地図で確かめなければならないと思っている。

写真 2  オンネトー湖と周囲の紅葉
写真 2  オンネトー湖と周囲の紅葉

オンネトー湖へは(積雪期を除いて)車で行くことができるので、数回訪れたことがある。訪れる度に湖の色は異なり、周囲の緑も変化し、紅葉も美しく(写真 2)、五色湖と呼ばれることに納得している。次に訪れる際には山が高い低いなどという無粋(ぶすい)な疑問を自分なりに解消し、美しい景色をゆっくりと観賞したいと思っている。


*いしやまゆうじ 北海道大学名誉教授
(一社)建築研究振興協会発行「建築の研究」2016.12 原稿

連載「ちょっと真面目チョット皮肉」(北海道大学名誉教授 石山 祐二) もくじ(クリック→目次ページへ) No.134 花嫁人形と蕗谷虹児 No.135 清潔で安全なシンガポール No.136 広瀬隆著「東京に原発を!」を読み直して No.137 最近の建物の耐震設計に対する懸念 No.138 日本最北のヴォーリズ建築「ピアソン記念館」 No.128 「赤れんが庁舎」を美しく後世に残そう! No.139 建築と食卓の「bと d」 No.140  津波対策にも New Elm工法! No.142  津波に対する構造方法等を定めた国交省告示 No.141 建物の基礎と杭の接合は過剰設計! No.143 国際地震工学研修50 周年 No.144 ペルー国立工科大学・地震防災センター創立 25 周年 No.27 着氷現象と構造物への影響 No.145 リスボンは石畳の美しい街、しかし・・・ No.146 トンネル天井落下事故の原因 No.147 積雪による大スパン構造物崩壊の原因と対策 No.148 生誕100 年彫刻家佐藤忠良展 No.149 地震工学に用いる各種スペクトル (その1)  :応答スペクトル No.150 地震工学に用いる各種スペクトル(その 2) :  トリパータイト応答スペクトルと擬似応答スペクトル No.151 地震工学に用いる各種スペクトル(その 3)  :要求スペクトルと耐力スペクトル No.152 地震工学に用いる各種スペクトル(その 4): 要求スペクトルと耐力スペクトル No.153 中谷宇吉郎著「科学の方法」:氷の結晶のV字型変形 No.154 新渡戸稲造と武士道 No.155 これからのフラットスラブ構造 No.156 塩狩峠記念館 三浦綾子旧宅 No.157 ニッカウヰスキー余市蒸留所 No.158 三つの人魚像 No.159 ラオスと建築基準 No.160 北海道博物館2015 年4 月開館 No.161  30年振りのプリンス・エドワード島 No.162 道路標識と交通信号機 No.163 童謡「赤い靴」の女の子 No.164 地すべりと雪の上の足跡 No.165 建築物のダイヤフラム、コード、コレクターと構造健全性 No.166 地震による 1 階の崩壊と剛性率・形状係数  No.167  北海道新幹線と青函トンネル No.168 米国の建築基準と耐震規定の特徴 No.169 北海道三大秘湖の一つ「オンネトー湖」は五色湖 No.170 世界遺産シドニー・オペラハウス No.171 シドニー・オペラハウスの構造 No.172 北海道の名称と地名 No.173 鳩を飼わない「ハト小屋」 No.174 ロンドン高層住宅の火災の原因は改修工事!? No.175 断熱性能を示す Q 値、U A 値とその単位 No.176 幻の橋タウシュベツ川橋梁 リンク
一般社団法人 北海道建築技術協会
〒060-0042
札幌市中央区大通西5丁目11
大五ビル2階
アクセス
TEL (011)251-2794
FAX (011)251-2800
▲ ページのトップへ