2015年8月20日

4-1 弱さを大切にする成長

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4-1 弱さを大切にする成長

自然エネルギーの特徴は、独力での問題解決能力を持たない弱さにあります。

灯油や電気だけで暖房するのは簡単ですが、窓からの日射だけで暖房するのはとても無理です.断熱や気密化、方位の工夫といった手助けがあって初めて、暖房の主熱源としても認められ、穏やかで心地の良い環境が生まれます、

断熱や方位の工夫もまた、独力での解決能力を持たない弱い手段で、こうした弱さのつながりが、強さでは得られない穏やかさを生んでいます。

薪も決して強力で便利なエネルギーとはいえませんが、建物の断熱と熱容量という弱い手段と組み合わされると、薪を作り、火を燃やすという楽しみと、森を生かし高齢者を生かし、仲間をつくる働きにもつながってきます。

現代社会が求めてきたのは独力での問題解決能力を持つ強さです。国は軍事力に頼り権力を集中して発言力、影響力を強めようとし、企業は規模を拡大して競争力を高め、私達もまた技術力、エネルギーに頼って自然を克服しようとし、経済力に頼って他人とのかかわり合いの少ない生活を選び、新しい自分を発見するという成長の機会を失って、疎外や孤独への道を歩んでいます。

自然エネルギーが弱さを疎外せず、自立よりもつながりを求め、それぞれの個性を尊重し、欠点よりも良さを大切にするのとは対照的です。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ リンク
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