2015年8月20日

3-4 雪利用の貯蔵技術

雪で覆われた断熱ムロ走行クレーンを持つ断熱ブロック造の貯蔵庫
雪で覆われた断熱ムロ走行クレーンを持つ断熱ブロック造の貯蔵庫

3-4 雪利用の貯蔵技術

半年の間雪と氷に覆われる寒地では、古くから漬物や乾物を作り、土中に穴を掘つて野菜を埋め、雪で覆って越冬する貯蔵法が用いられてきました。

土囲いと呼ばれる伝統的な貯蔵法で、雪という厚い断熱材で覆われた地中は雪解けまでほぼ0℃・100%の温湿度で、多くの根菜類には絶好の貯蔵条件が保たれます。

難点は、冬の厳寒期に貯蔵物を取り出すには除雪、掘り出し、搬出と、寒さの中での作業があって小出しが出来ないこと、春になって雪が解けるといっせいに芽吹いて腐れが出ること、雪が少ないと凍結の危険があることなどで、大規模の貯蔵や出荷には向かない面がありました。

写真は、露出した地面を断熱材と雪で覆った貯蔵庫で、仕組みは土囲いと同じですが、温湿度は冬期間を通して0~2℃、90~100%が保たれ、出し入れ自由の貯蔵庫で、3月に出荷でできた空きスペースに雪を入れると、ほぼ6月一杯 4℃・90%程度の貯蔵環境が保たれます。

メイクイーンとは5月の女王と言う意味のじゃが芋ですが、越冬すると格段に味が良くなります。単なる出荷調整ではなく、貯蔵によって独特の味や風味が加わると、繁忙期を避けた出荷や加工への取り組みも生まれます。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ リンク
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