2015年8月20日

3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化

加工への取り組みは1次産業型ワークシェアリングです
加工への取り組みは1次産業型ワークシェアリングです

3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化

1次産業の強みはその背後に無償の自然エネルギーがあり、自給自足と地産地消の経済があることです。

豊かな自然エネルギーに恵まれた北海道ですが、高齢化が進みながら職場がなく若い人たちが地元に残れない状況が続いているのが現状です。

大規模工業の誘致も試みられましたが、大事なのは1次産業の活性化です。

規模は小さくとも独自性を持つのが1次産業の誇りですが、同じ生産物を市場に出すだけでは自分で価格付けの出来ない受身の立場に置かれてしまいます。

建築という器を用いた自然エネルギーの活用方法に触れましたが、大規模化を競うのではなく、それぞれが自分の状況に応じて生産物を貯蔵・加工し、自分で値段がつけられるようにすることが活性化の一つの道ではないでしょうか。

生産と加工を並行させることは大変なことですが、今1次産業を希望する人は若い人を含めて決して少なくはありません。

新しく始めようとするならばこれほど難しい職業はないかもしれませんが、1次産業の中に特徴を持った貯蔵や加工を取り入れ、地域としての共有、自給を目指すならば、1次産業ならではの取り組みと活性化が見えてくるのではないでしょうか。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ 各種ダウンロード リンク
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