2015年7月19日

1-4 氷という断熱材

熱を良く伝える氷も魚達を守る不思議な断熱材
熱を良く伝える氷も魚達を守る不思議な断熱材

1-4 氷という断熱材

天然の断熱材ともいえる雪と同じ固体でありながら、氷は逆に金属を除く物体では岩石と並んで最も熱を伝えやすい物質です。

冬山の遭難だけではなく、氷に包まれることは多くの動物にとって死を意味する危険な状態なのですが、ここにもまた、水中の動物を守る不思議な断熱材としての働きがあります。

水の比重は4℃が最大で、それよりも高温でも低温でも軽くなるという他の液体には見られない性質があります。

4℃以上では他の流体と同様に、温められると軽くなって上昇し、冷えると下降しますが、4℃以下では、温かい水は下降し、冷たい水は上昇するという逆の熱対流現象を起こします。

水の表面が4℃以下になると表層の水は下降せずに滞留して氷結を始め、氷の比重は水よりも軽いため、常に浮んだ状態でその厚さを増してゆきます。しかも氷結するときには1ton当たり 80,000kcal(約 93kWh )の凝固熱を発生して、湖や海が氷漬けになることを防いでいます。

岩石に匹敵する熱の良導体である氷が、断熱材として水中の生物を守っているというのも水の不思議な性質です。

「断熱から生まれる自然エネルギー利用」(北海道大学名誉教授 荒谷 登) Ⅰ 自然エネルギーって何だろう 1-1 地球という外断熱された星 1-2 外断熱された地球の特有のエネルギー 1-3 水に秘められた創造の知恵 1-4 氷という断熱材 1-5 目に見えない放射エネルギーと見えない断熱材 1-6 気温の年変動も自然エネルギー 1-7 地域性に富んだ自然エネルギー 1-8 変動から生まれ変化を促す自然エネルギー 1-9 自然エネルギーは全自動の環境保全エネルギー 1-10 温暖化の恐怖 1-11 自然エネルギー利用の難しさとやさしさ 1-12 地域の宝としての自然エネルギー Ⅱ 自然エネルギー活用の器としての建築 2-1 自然に親しむための器 2-2 むらのない環境をつくる器 2-3 自然エネルギーの個性を尊重するための器 2-4 変動から生まれる自然エネルギーを生かす器 2-5 自然エネルギーを環境調整の主役にする器 2-6 昼の光を生かす器としての建築 2-7 夜の光の演出 2-8 湿度調整の器としての建築 2-9 新鮮な外気を生かす器 2-10 無償の富を生かす器としての建築 2-11 自然エネルギーを後世に引き継ぐ器としての建築 Ⅲ 北海道の1次産業の活性化 3-1 典型的な自然エネルギー利用としての農・林・水産業 3-2 1次産業の環境整備に生かされなかった寒地建築技術の蓄積 3-3 ビニールハウスの熱環境 3-4 雪利用の貯蔵技術 3-5 貯蔵と加工のある 1.5次産業の育成と建築技術 3-6 天日干しの魅力 3-7 自動制御不要の氷温貯蔵 3-8 低温乾燥貯蔵の工夫 3-9 断熱材で建物を作る 3-10 規格外品も廃棄物さえもすぐれた自然エネルギーの結晶 3-11 過疎化と疎外を招く大規模化指向 3-12 森を生かすナショナルプロジェクト 3-13 薪利用の建築的な工夫 3-14 地産地消の共同体(コミュニティ) 3-15 北海道の課題としての1次産業の活性化 Ⅳ 持続可能な成長への期待 4-1 弱さを大切にする成長 4-2 持っている特質を生かす成長 4-3 共有の富を育てる成長 もくじ リンク
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